題詠100★2017 推敲歌一覧

  • 2018.03.13 Tuesday
  • 15:54

023:感
感傷の流れ出でまし解夏とほき半熟めだま焼きを裂きせば

 

「せば〜まし」の構文は反実仮想。事実ではないことを仮想する、という意味だ。

この歌は倒置してあるので、本来なら「解夏とほき半熟めだま焼きを裂きせば感傷の流れ出でまし」となる。

 

しかし、作意としては「感傷の流れ出で」の部分を反実としたかったが、

この構文は「せば」以前の文が反実であるため、作意と構文との間でズレがある=用法の誤りが生じている。

よって、以下のように推敲した。

 

感傷の流れ出でたり解夏とほく半熟たまごの目玉を裂けば

 

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028:加
いさむ手に瀧昇りゆく龍を見き加古川青流戦をみまもる

 

「勇む」と漢字にした方が、勢いが出て「昇りゆく龍」と響き合う。

 

勇む手に瀧昇りゆく龍を見き加古川青流戦をみまもる

 

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041:症
どうせなら妖精さんが良かつたと泣きじやくる子の眼の飛蚊症

 

「飛蚊症」は眼の症状であるので、わざわざ「眼の」と詠むのは字数の無駄遣いである。

この二文字分を使って、今現在泣き続けているという時間の幅を詠みこみたい。

 

どうせなら妖精さんが良かつたと泣きじやくりたる子の飛蚊症

 

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059:埃
砂埃すぎたる夏の放水の虹のふもとにある甲子園

 

「夏」「甲子園」のワードが離れていて、地名の「甲子園」を詠んだ歌ともとられかねず、

そうなると一体何の「砂埃」なのか、となってしまう。

いっそ「球児ら」と言って、情景・場面を決めてしまった方が解りやすく、少なくとも誤読の恐れは解消できる。

 

球児らの砂埃さり放水の虹のふもととなる甲子園

 

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063:両
両手鍋にポトフをきみが抱へ来る夜のやうなる抱擁かさぬ

 

結句「かさぬ」は「重ねる」という動詞の文語の終止形「重ぬ」だが、

ひらがなに開くと「貸さぬ」と誤読されてしまうかもしれず。

 

両手鍋にポトフをきみが抱へ来る夜のようなる抱擁かさね

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  • 2018.05.08 Tuesday
  • 15:54
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